念願だったマチュピチュの頂に立ち、旅行ガイドなどでよく目にするメジャーなアングルからの写真を撮る。
これで十分満足のはずだったのだが、なぜか妙な好奇心が湧いてくる。
(あの向こう側のとんがった山って登れるのかな?)
眼下に広がる偉大な遺跡よりももっと気になることが出来てしまった。
早速、そばにいた太鼓腹のおじさんに聞いてみた。
「登れるとも。ただしかなり険しくて危険だけどな。
それに入山規制があって、毎日先着400名までらしいぞ。」
(よし!)
それを聞くや否や世界遺産の遺跡をスルーして、とんがった山の方向へまっしぐら!
5分後に登山口にたどり着いた。
(うっ、やばい!門が閉まってる。すでに400人を越えてしまったらしい・・・)
そこには他にも登りたい人たちがたくさんいて、彼らは粘って係員と交渉(というかケンカ)してる。
スペイン語ができない自分としては、ここはとりあえず推移を見守って、チャンスがあれば隙を見て突破するしかない!
となりにいたスペインから来たというおばちゃんも
「大丈夫、きっと行けるから、あきらめずにここにいた方がいいわ」
と言っていた(ような気がした)。
15分くらい経っただろうか、それまで渋っていた係員がついに根負けしたのか、
ふてくされたような様子で少しだけ門を開けた。
「よし、今だ!」急いでなだれ込み、登山道への侵入に成功!
係員に呼び戻されるとまずいので、すぐに門から遠ざかる。
結局門は一瞬だけ開いた後またすぐに閉められ、その後二度と開くことはなかった。
この幸運を生かして絶対登り切ってやる!