「コンニチハ~、カンコウデスカ~?」
出た!
海外の観光地に必ず現れる、片言の日本語を操る怪しげな自称ガイド!
「ボクハイマニホンゴヲベンキョウシテイマス」
ん?と思いきや、よく見ると真面目そうな青年だ。
ごめんね、誤解してたようだ・・・。
中央アジアにある旧ソ連のウズベキスタン共和国。
この国の第2の都市サマルカンドは、
世界遺産のブルーモスクが有名な観光都市だ。
日本から遠く離れたこんなところでも
日本語を一生懸命勉強してくれている若者に感動しつつ、
1日中ガイドをしてもらい、
その上夜は彼の自宅へ夕食に招待してもらった。
ウズベキスタン風炊き込みご飯の「プロフ」をはじめ、
カロリーたっぷりの食事をごちそうになった後、
彼の弟が目の前に現れた。
「ねえ、チェスやろうよ」
(何?こう見えても自分はオセロで全国大会に出場した経験がある。
同じ白と黒の駒を使うゲームなんだから、こんな小さい子なら楽勝だ。)
とっても大きな勘違いをしたまま対局は始まった。
負け。負け。負け。何度やっても負け。負け。負け。
後から聞いたところによるとこの少年、
サマルカンドのチェスの少年チャンピオンなのだという。
「日本の人はみんな優秀だと聞いていたけれど、
大人でも意外とチェスは弱いんだね。」
的な、とても残念な言葉を浴びせられながらも、
(引きつった)笑顔だけは絶やさずに
スゴスゴとホテルに引き上げた・・・。