ゴラン高原クネイトラ。
高原といっても、軽井沢や那須などのようなリゾートでは決してない。
第3次中東戦争の戦場となった村だ・・・。
イスラエルとシリア双方にとって、ゴラン高原は非常に重要な場所だった。
イスラエルにとっては、国最大の水源地ガリラヤ湖を見下ろす位置にあり、
シリアにとっては首都ダマスカスからわずか数十キロの至近距離(東京・横浜間くらい)に位置し、
この場所を占領されることは国家の存亡に関わる。
壊れた病院、壊れた教会、壊れたお店・・・。
住んでる人は誰もおらず、ひっそりと静まり返っている。
爆撃されてから40年以上が経過しても、
後世に戦争の悲惨さを伝えるため、村は廃墟のまま残されている。
まるで村全体が原爆ドームのようだ。
現在はシリア政府の管理下におかれており、
ここを訪れるには、シリアの内務省に特別の許可が必要で、
現地では軍の案内人がマンツーマンで監視に付く。
国連軍が管理する非武装中立地帯の向こう側には
遠くイスラエルの村が見える。
今のこの静まり返ったのどかな風景からは、全く想像できない。
ただ建物の壁に残された無数の銃弾の跡だけが
ここがかつて戦場であったことを物語っていた・・・。