ヒマラヤ山脈の麓にあるブータン王国。
ここは知る人ぞ知る激辛の王国だった。
お世話になった一般家庭の晩ご飯はとにかく辛いものばかり。
まず、ごはんには10本以上の唐辛子を
木の臼ですりつぶした特製激辛ふりかけをたっぷりとかける。
これがそうだ。
おかずは「パクシャバ」。唐辛子と大根と豚肉を煮込んだもの。
スープは「エマダツィ」。ちなみに、エマは唐辛子、
ダツィはチーズの意。
要は唐辛子のチーズ煮込みスープ。
チーズは溶けているので、具材は唐辛子だけ。
サラダはというと、激辛青唐辛子に玉ねぎとトマトを和えて
みじん切りにした「イズィ」。
どのお皿に逃げても必ず大量の唐辛子たちが
追いかけてくる・・・。
ここブータンでは唐辛子はスパイスとしてではなく、
野菜として食す。
まるごとの唐辛子が何本も入っているおかずを大人から子どもまで
みんなバリバリと音を立てておいしそうに食べている。
なので、おなかを壊す人も多いと聞く。
(だったらそんなに食べなきゃいいのに・・・)
カプサイシンを一回の食事でこんなに過剰摂取するのは
初めてだが、一体どんな効果があるんだろう。
期待と不安が入り混じる。
この食事の後、固く止められていたブータンの生水を
大量に摂取することとなったのは言うまでもない・・・。